第5回『食卓が教えてくれること~豊かさは日々の暮らしの中にあった~』
様々な国での「暮らし」を経験した、道井いくこさんをゲストに迎え、世界の「食卓」を想像でめぐりながら、なんでもない暮らしに隠れた「豊かさ」を食の視点で探ります。
- プログラム
加速化する社会では、効率化や合理化が「善」とされがちですが、バランスをとる意味でも、自分の足元をみつめるような時間が大切になってくるように感じます。
誰もが営む「暮らし」をキーワードにすることで対象を広げ、区民の新たな出会いの場となること、そして、答えのない問いを考えることを通じて他者と関わり、互いの違いを楽しみ、自分なりの豊かな人生のあり方について思いをめぐらせることのできる場になれば、と思っています。第5回は「食卓」に注目し「豊かさ」について考えます。
料理や家の掃除、子どもや高齢の両親の世話といった、かつては人との繋がりの助けを借りながら自分できていたはずの仕事の数々。現代に至っては、助け合えるコミュニティもなければ、忙しすぎてそれにかける時間的余裕もなく、お金を払って企業に委託せざるを得ないという現実。更にその支払いのために収入を増やさなければならないという悪循環も見えてきます。同時に、私達は暮らしの中の様々な「ケア」を通じ得られる、幸福感や意義をも手放しているのではないでしょうか。
豊かさを求め奔走しているはずが、自ら豊かさを手放しているという現実。
豊かさは「外」にはないのかもしれない。
なんでもない暮らしに隠れた「豊かさ」を食の視点で探ります。プログラム
プログラム 第1回は「効率化(プロセスにかかる労力と時間を最小化すること)は豊かな暮らしに繋がったのか」という問いをきっかけに、暮らしにおける様々なプロセスを大切にすることの可能性を『時間』という視点で考えました。
第2回は「自分の身体感覚・五感を丁寧扱うことで、何気ない日常も情緒豊かに暮らせるのではないか。」というテーマを『触れる』ということにスポットをあて考えました。
第3回は「異なる文化や言語をもつ人々が、固有の背景を保持しながら、同じ場所で共に暮らすことは難しいことなのだろうか」という問いをきっかけに、様々な違いに丁寧に柔らかく向き合うことはできないかを『想像する』というキーワードで紐解きました。
第4回は、子ども達の素直な眼差しによって私達大人が気付かされたことを語り合い「子どもの心を持ち続けることは難しいことなのだろうか?」という問いを考えました。
今回は「食の豊かさ=地球環境の豊かさ」から「食の豊かさ=多彩な食品を購入できる経済的豊かさ」という構図にシフトしているように感じます。利便性や効率のために手放したプロセスの中に豊かさが隠れていたのではないか。なぜならそこには体験や経験があったから。体験や経験を買う時代、私たちは自ら手放した豊かさを再び手に入れるために、対価を支払っています。
「大切なことを、どうして私たちは見失ってしまうのか」という問いをガイドに考えていきます。1.プロローグ
2.今日の一冊『ここで土になる』大西暢夫
(ダム建設にゆれた村で変わらず、動かずそこに暮らし、土地を耕し続けた夫婦を記録した写真絵本)
3.自己紹介
ひとりでも多くの方に「暮らし」について考えて欲しい、という思いで作成した『暮らしを考えはじめる10の質問』今回は「食編」。
4.ゲストトーク
〈ゲスト〉道井いくこさん
5.対話「大切なことを、どうして私たちは見失ってしまうのでしょうか」黛さんからのメッセージ:
「千代田での丁寧な暮らしを話そう!」という活動を始めた時、「時間的余裕も金銭的余裕もないのだから「丁寧な暮らし」なんて出来っこないよ!」そんな声が聞こえてくるようで、勝手に肩身狭く感じていました。しかし、繊細な季節の移りかわりが失わていくのを肌身に感じる今、なんでもない日々の暮らしから人が豊かさを得られれば、「モノ」に満たされる必要がなくなるのではないかと思い巡らせます。豊かさは今もあなたの隣にあって、つかんでもらうのを待っているのではないだろうか。答えのない「問い」を考えるという、生産も消費もない場所に存在する豊かさを、皆さんと一緒に掴みたいです。
- 開催者より
メッセージ - 今回のテーマは「食」。ゲストトークでは、道井いくこさんがかつて暮らした国々を「食」をテーマにめぐる。地球の恵みとしての食を感じられにくくなった現代の食卓についても思いをはせます。
ひとりでも多くの方に『暮らし』について考えてもらいたい!という思いから作成した『暮らしを考えはじめる10の質問』を今回は『食』バージョンに。回答から見えてくる皆さんのオリジナリティもこの会の醍醐味です。
開催者紹介
- 主 催
“千代田での丁寧な暮らし”を話そう運営事務局
参加申込み
- 申込方法
- フォームよりお申込み下さい。https://forms.gle/56VRTR4FkycJDRJW7
- 参加条件
- 対象 10名程度(暮らしを営む人)
- 参加費
- 無料
- お問合せ
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“千代田での丁寧な暮らし”を話そう運営事務局
[ご連絡先]
メール:teinei.chiyoda@gmail.com